12月14日に決定!「住宅ローン減税」の子育て世帯優遇措置について解説します!

はじめに

11月の投稿で、住宅の省エネ対策に伴い変更される「住宅ローン減税」についてご紹介しました。
その後、12月14日に令和6年度税制改正大綱が決定し、子育て世帯向けの優遇措置が発表されたのをご存知でしょうか?
今回は14日に決定した住宅ローン減税の変更点についてご紹介します!

そもそも住宅ローン減税とは

正式名称は住宅借入金等特別控除といいます。住宅ローンを組んでマイホームを購入・リフォームする際に、住宅ローンにかかる金利負担を軽減する制度です。年末調整や確定申告により、住宅ローンの残高の一定割合が決められた年数、所得税や個人住民税から控除されます。床面積や年収等、いくつか条件がありますが、マイホーム購入の際にはぜひチェックしたい内容です!

2024年からの住宅ローン減税変更点

2020年、政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言し、建築物分野の再エネ・省エネ対策強化を急速に進めています。それに伴い、2024年1月以降に確認申請を受けた新築住宅は省エネ性能に適合しないとローン減税を受けることができなくなります。

2022年から既に「省エネ性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置」が導入されており、住宅の性能が高いほど、借入限度額もあがるようになっています。
2024年からはその内容に加え、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」がローン減税の対象外となり、省エネ基準に適合した住宅においても借入限度額が500~1000万円減額されます。
また、「省エネ基準適合住宅」の証明として、確定申告時に「建設住宅性能評価書の写し」もしくは「住宅省エネルギー性能証明書」の提出が必要になります。

子育て世帯向けの優遇措置の詳細

前述のとおり、住宅ローン減税は2022年から「省エネ性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置」が導入されており、2024年からはその限度額が500~1000万円減額される予定です。
しかし、12月14日に決定した令和6年度税制改正大綱により、子育て世帯は限度額が減額されないことになったのです。

対象は19歳未満の子を有する「子育て世帯」又は、夫婦のいずれかが40歳未満の「若者夫婦世帯」です。

表を見ると分かるように、省エネ基準適合住宅においては通常3000万円が限度額のところ、子育て世帯・若者夫婦世帯は4000万円が限度額となり、1000万円上乗せされています。ZEH水準省エネ住宅においても1000万円、長期優良住宅・低炭素住宅においては500万円、限度額が上乗せされているのが分かります。

資材価格や人件費の高騰で住宅価格が上昇しており、子育て世帯のマイホーム取得が困難になっている背景から、今回の税優遇が決定しました。ただ、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」においては予定通り、住宅ローン減税の対象外となるため注意が必要です。

まとめ

12月14日に発表された住宅ローン減税の子育て世帯優遇措置についてご紹介しました。
子育て世帯の税優遇対策は令和7年度も同様の内容で検討されていますが、決定ではありません。

住宅建築・購入には大きな費用がかかります。対象の方は、ぜひ令和6年度の優遇措置を利用したいですね。

省エネ適合義務は2025年から施行予定ですが、「省エネ住宅」は住宅ローン減税だけでなく、今後の住宅価値、快適性や光熱費等の面からもメリットがあります。今回ご紹介した改正内容について頭の隅に入れておいていただき、住宅建築や購入の際の参考にしてみてください。

弊社では省エネの計算から証明書の発行まで、まとめて対応いたしております。ぜひお気軽にご連絡ください。

令和6年度 国土交通省税制改正概要はこちら