2024年から「住宅ローン減税」を受けるには「省エネ性能」が必須になります!
はじめに
「住宅ローン減税」をご存知でしょうか。住宅購入・建築を検討されている方は耳にしたことがあるかと思います。2020年、政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言し、建築物分野の再エネ・省エネ対策強化を急速に進めています。それに伴い、2024年1月以降に確認申請を受けた新築住宅は省エネ性能に適合しないとローン減税を受けることができなくなります。
今回はこの「住宅ローン減税」の変更点についてご紹介します。
背景
2020年に政府は地球温暖化や、近年の異常気象の問題解決に向けて、2050年までに温室効果ガス実質ゼロの「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。建築物分野はエネルギー消費の約3割を占めており、建築物の省エネルギー性能についても、この目標にあわせて改正されることになりました。それが2022年6月に公布された改正建築物省エネ法です。改正内容は多くありますが1番のポイントは、規模や用途で対象が限られていた「省エネ基準への適合義務」が原則全ての建築物に適応されることでしょう。
適合義務化は2025年4月を予定していますが、これに先立ち、早期の適合率向上を図るため、住宅の新築に対する支援措置等において順次「省エネ基準適合」を要件化しています。今回ご紹介する「住宅ローン減税」の変更も2025年の省エネ基準適合義務化を見据えたものになります。
内容
2025年からの省エネ法改正を見据え、2021年度税制改正で2022年以降4年間の住宅ローン減税の内容が決定しました。ポイントは大きく2つです。
住宅ローン減税を受けるには省エネ基準に適合する必要があります
2022年から既に「省エネ性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置」が導入されており、住宅の性能が高いほど、借入限度額もあがるようになっています。2024年からはそれに加え、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」がローン減税の対象外となります。
住宅ローン減税の申請に省エネ基準適合の「証明書」が必要になります
「省エネ基準適合住宅」の証明として、確定申告時に「建設住宅性能評価書の写し」もしくは「住宅省エネルギー性能証明書」の提出が必要になります。
建設住宅性能評価書
建設住宅性能評価書とは「住宅性能表示制度」の証明書です。住宅性能表示制度では、設計段階に審査を行う「設計性能評価」と、施工中・完成時の検査で審査を行う「建設性能評価」の二種類があり、後者の「建設性能評価」の証明書の写しを提出する必要があります。5-1「断熱等性能等級」が4以上、かつ、5-2「一次エネルギー消費量等級」が4以上であることを証するものが有効です。この証明書は登録住宅性能評価機関のみ発行することが可能です。
住宅省エネルギー性能証明書
住宅省エネルギー性能証明書とは、住宅ローン減税の制度改正によって新たに創設された住宅ローン減税用の証明書です。内容は住宅の省エネ性能に特化しており、登録住宅性能評価機関のほか建築士も発行可能です。また、性能表示制度のように対象住宅と関係の無い第三者の建築士の評価である必要はないため、対象住宅の設計・工事監理等を実施した建築士による証明も可能です。
まとめ
住宅の省エネ対策に伴い変更される「住宅ローン減税」についてご紹介しました。
住宅建築・購入には大きな費用がかかります。省エネ住宅は光熱費の節約や住まいの快適性等、住宅ローン減税の適用以外にも多くのメリットがあります。
2025年の省エネ適合義務や将来の住宅価値、快適性や光熱費等の面からも、今から改正内容に適合した「省エネ住宅」を検討したいところです。
今回ご紹介した改正内容について頭の隅に入れておいていただき、住宅建築や購入の際の参考にしてみてください。
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