省エネ対策の動向・ロードマップ
はじめに
2020年、政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。
カーボンニュートラルとは二酸化炭素等の温室効果ガスの「排出量」から、植林や森林管理等による「吸収量」や「除去量」を差し引いて、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることです。
参考記事:カーボンニュートラルについて
発表から現在まで、建築物省エネ法改正や住宅性能表示制度の断熱性能等級5,6,7の創設等、次々と取組が行われています。
参考記事:省エネ法改正について 背景や内容を分かりやすく解説!
参考記事:【性能表示制度】評価項目「温熱」について
今後も2050年カーボンニュートラル実現に向けて様々な対策が行われる予定です。
今回は省エネ対策の動向や、今後の流れについてご紹介します。
省エネ対策直近の動き
2020/10
政府が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言
2021/03
長寿命でライフサイクルCO2 排出量が少ない「長期優良住宅ストック」や「ZEH ストック」を拡充し、
ライフサイクルでCO2 排出量をマイナスにする「LCCM 住宅」の評価と普及を推進するとともに、
住宅の省エネルギー基準の義務づけや省エネルギー性能表示に関する規制など更なる規制強化を進めることを発表
2021/04
2050年カーボンニュートラルに向けて、「2030年温室効果ガス46%削減、さらに50%の高みを目指す」ことを宣言
2,000㎡以上が対象だった非住宅建築物の省エネ基準適合義務を300㎡以上に拡大
さらに、300㎡未満の住宅・建築物に省エネ性能説明義務制度を創設
2021/06
住宅の省エネ基準の義務付け等、更なる規制強化を検討するとともに、ZEH・ZEBやLCCM住宅・建築物など省エネ性能の高い住宅の整備や省エネ改修への支援を行うことを決定
また、規制的措置を含む省エネルギー対策を強化し、ZEH・ZEB等の取組を推進するとともに、森林吸収源対策を強化する方針を発表
2021/10
2050年に住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指すと発表
2022/06
改正建築物省エネ法公布
省エネ対策ロードマップ
2021年、政府はカーボンニュートラル実現に向けて、住宅・建築物のハード・ソフト両面の取組について議論するための検討会を設置しました。
全6回にわたり検討が行われ、最終検討会後の2021年8月には
「(参考)脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方に関するロードマップ」
が発表されました。
ロードマップでは省エネの徹底と再エネの導入拡大について、
「住宅」・「建築物(非住宅)」・「再エネ」の今後の進め方がまとめられていますが、
ここでは「住宅」に着目してご紹介します。(2021年8月時点での内容です)
まとめ
2050カーボンニュートラルに向けて、政府が発表している省エネ対策についてご紹介しました。
上記表を見ると分かるように、2022年は多くの変更がありました。
建築業界で働かれている方も、これから住宅建築や購入をお考えの方も、いつどのような政策が行われるのか把握しておくことは大切です。
今回ご紹介した内容について頭の隅に入れておいていただき、新たな対策にも順応できるよう準備を進めていただければと思います。
今後、省エネの状況により、実施されるタイミングや、内容の変更があるかもしれません。
随時ご紹介していきますので、引き続き投稿にご注目ください!