【性能評価制度】評価項目「防犯」について

はじめに

住宅性能表示制度についてご存知でしょうか。
消費者が良質な住宅を安心して取得できるように、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、第三者機関が住宅の性能について評価し、その性能評価を表示するしくみのことです。
評価する項目は大きく10の区分が設けられています。→詳しくはこちら

前回まで9回にわたり評価項目をご紹介してきましたが、
今回は最後の項目、「防犯」に関する内容についてご紹介します。

公式Instagramでも分かりやすくまとめていますのでぜひご覧ください!

概要

近年、住宅への侵入窃盗事件は手口の巧妙化等、社会的に深刻な状況です。
被害にあわないため、防犯に配慮した住宅の計画を行う際の基本原則として、主に以下のような対策が挙げられます。

・周囲からの見通しの確保

・居住者の帰属意識の向上、コミュニティ形成の促進

・犯罪企図者の動きを限定することによる、接近の制御

・破壊されにくい部材や設備による被害対象の強化

「防犯」に関することでは、これらのうち被害対象の強化として、住宅の内部に通じる開口部の侵入防止対策について評価します。

評価項目と等級

10ー1 開口部の侵入防止対策

住宅の内部に通じる侵入可能な規模の開口部について、有効な侵入防止対策がとられているかを評価します。
住宅の開口部を、外部からの接近のしやすさに応じて下記のa~c3つにグループ化し、その上で各グループに属する全ての開口部について、防犯建物部品を使用しているか否かを階ごとに確認します。
防犯建物部品はCP表示品とも呼ばれ、下のシンボルマークが貼り付けされているものがあります。

a.     住戸の出入口
玄関ドアや勝手口等、出入口として使用でき、かつ外部から施解錠できるものを指します。

b.     開閉機構を有する出入口ではない開口
引き違い窓等、地面やバルコニーから開口部下端までの高さが2m以下のものを指します。

c.      その他
FIX窓や天窓等

(住宅性能評価・表示協会HPより)

a,b,cの開口部区分は、外部から開口部に接近しやすい順にa>b>cと考えられています。
評価の対象となる侵入可能な大きさの開口部とは、住宅の内部に通じる開口部のうち、以下の大きさのブロックのいずれかが通過できる開口部のことを指します。

◇400mm X 250mmの長方形

◇400mm × 300mmの楕円形

◇直径が350mmの円

表示方法:記述

まとめ

「性能評価」の防犯に関する内容についてご紹介しました。
防犯のためには住む人の意識がなにより大切ですが、建物の工夫もできる限り行いたいですね。

さて、今回まで全10回にわたり「性能表示制度」の評価項目についてご紹介してきました。
どの項目も家や家族の身を守るために、そして快適な生活を送るために必要な内容です。
すべての評価取得は難しいかもしれませんが、
ご紹介した内容のどれがご自身にとって重要か検討いただき、ぜひ住宅取得の際の参考にしていただければと思います。